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平成23年11月12日 定例会報告
対象児について
特別支援学級に通う小学6年のお子さんです。
3月の体験学習では以下の様子がみられました。
入室後着席をせず、教材や室内の物を触って歩き回りました。
自分で着席はできませんでした。
促されて着席をしてもすぐに立ってしまいじっと座っていることが難しかったです。
お母さんの言うことには、ある程度従うことができました。
以上の様子から学習に向かう態度をつくることが大切だと考えました。
そのために、次のようなことを伝えることにしました。
1.どこで学習をするのか。
2.だれと学習をするのか。
3.どんな学習をするのか。
4.いつ学習が始まるのか。
5.いつ学習が終わるのか。
教材に対して、目や手をどのように使うのか、どのような関わり方をするのかみていくことにしました。
次のような配慮をしました。
・玄関のあがり口に靴の絵を置く
・1階の部屋のドアを閉める。
・2階廊下にある本棚を黒い板でおおう。
・学習室の棚は空にする。
・学習室の壁のカーテン、カレンダー、時計をなくす。
・学習室に本児のバックを置くかごを用意する。
・学習机は部屋の隅に寄せる。
・学習椅子は脇のある木の椅子を使用する。
学習内容をわかってもらうために、どんなことをするのか、どんな順番で学習をするのかを写真カードでスゲジュール板に呈示しました。そして最初の課題の写真カードを取ることで学習の始まりが、最後の写真カードを取ることで学習の終りがわかるように工夫しました。課題は目や手を使って操作する教材で、どのように操作するかわかりやすく、また、その結果もわかりやすいものにしました。
目と手の協応動作の向上を図り視機能と視覚認知を高めることが当面の課題と考えました。
平成23年6月より週1回の学習を始めました。
現在では30分間位課題をおこなうことができるようになってきています。
研究会での学習
研究会での学習の指導内容は以下の通りです。
(1)学習課題・ねらい・教材
(2)展開
研究協議
学習指導の後、参加者で協議した内容は次のようなものです。
・教材の大きさ、色、呈示の方法、ことばかけとそのタイミング等、こどもができる状況をいかにつくるかがこどもがわかることにつながります。
・ボタンを押す時人差し指でなく親指で押していました。全体的に物の持ち方がぎこちないところがありました。手の巧緻性を高めるために、指先を使うこととあわせて、手のひらを使うことも今後課題としていけばよいのではないでしょうか。
・紙の切れるところが見えるようになっているシュレッダーは、顔の真正面で見ることができ、目の前で紙が切れているので、見やすく結果が明確でわかりやすく、おもしろいと感じていたようです。
・筒抜きでは抜くことはできますが、まだ不十分です。親指と四指を対向させて持つようにするため、どのような教材を使うか検討することが大切です。
・どのような援助であればより効果的なのか、どのように援助するのか、どのくらい援助するのか、どこを援助するのか、いつ援助するのかを検討していくことが大切です。
・興味、関心を広げ、課題や試行数を増やすことが必要なのではないでしょうか。